インプラント過誤の提訴
インプラントの不具合で提訴したという記事を見ました。
news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20120906-567-OYT1T00306.html
本家かまどや社長、歯科医を提訴…「試食困難」
2012年9月6日(木)10:45
弁当チェーン大手「本家かまどや」(本社・神戸市)の創業者の男性社長(68)が、インプラント(人工歯根)手術の後に人工歯が抜け落ち、新メニューの試食業務に支障をきたしたなどとして、施術した神戸市内の歯科医院の男性院長(61)を相手取り、慰謝料など計1360万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こした。
提訴は8月18日付。
訴状によると、社長は2001年、左奥歯2本のインプラント手術を受けたが、翌年、1本が抜け、再度治療したものの、今年3月に再び抜け落ちた。
現在、硬い食べ物は右側でしかかめず、「メニュー開発に必要な試食や、試食に基づく適切な判断が困難になった」「そしゃくに時間がかかって執務時間も圧迫された」などと主張。「社にも損害が生じ、精神的な苦痛を受けた」として、慰謝料600万円、支払った治療費485万円などを求めている。
インプラントの過誤に関する訴訟自体は、多数あります。
提訴者が有名な方なので、記事になったものと思います。
しかしながら、この記事だけでは、正当とはいえない提訴と思いました。
2001年に植立したインプラントが、今年2012年、10年以上たって脱落することは、正常な医療行為であっても、十分に有り得ることです。
インプラントが一般的な方法で適切に埋入されても、そしゃくに時間がかかることもあり得ることです。
この提訴された方は、インプラント治療に対する非常に高いようです。
治療なされた方は、患者さんがインプラント治療を魔法の治療のように誤解しているのに、誤解をとるようにしなかったのかもしれませんね。
患者の自己決定を有効化するための情報提供の問題ですが、患者の期待が医療水準を超えて高い場合の問題と思いました。