ソフトヤミ金
一昔前の違法金融は、
1週間又は10日毎に貸金の3割、
というような、トイチをはるかに超え、
年利300%を超えるようなものが中心でした。
旧来型の違法金融(ハード闇金)に対しては、
金の貸し付けは、厳しい取り立ての手段として
行われたことを理由に、貸付としてもらった金も
返還しないという主張が、成り立ちました。
(不法原因給付。 民法708条)。
ところが、最近、
人を介しての紹介金融(営業行為ではない形態)で、
利率も月10%程度で、
取り立て行為が厳しくない様子の金融に
時々出会います(ソフト闇金)。
利率は、年利にすると120%で、
昔の出資法や、今の個人間の貸し付けに関する
高利の制限(出資法5条1項)を若干上回る程度です。
law.e-gov.go.jp/htmldata/S29/S29HO195.html
ソフト闇金も、懲役5年という思い刑罰で禁止されている行為として、
貸付として交付された金銭も不法原因給付として返還を免れるのか、
については、私は、良く分かりません。
ソフト闇金は、不法原因給付にならないとすると、
貸付額と返済額の差額は返還しないといけないことになります。
または、利息制限法の範囲内の利息は、有効となります。
もっとも、ソフト闇金の貸し付けた金銭は、不法原因給付ではなく、
返還義務があるとしても、闇金被害の依頼者を代理して、
返還の和解をするとことは、まれでしょう。
なぜなら、ソフトとはいえ、違法金融または個人間の貸し付けから
借りる人の多くには、返済能力がないからです。
支払い義務があるとしても、実際には履行できません。
取り立て訴訟を起こされ、敗訴しても、強制執行を受ける資産はない
場合がほとんどです。