犯罪的行為からの救済手順


投資被害、
振り込め詐欺や、
傷害の被害
ストーカー被害、
等を受けて権利を侵害された場合、
どのような救済策を優先するべきでしょうか。
救済策には、
刑事手続(死刑、懲役、罰金等)、
民事手続き(差し止め請求、損害賠償請求)、
行政的手続き(免許取り消し、改善命令等)
があります。
救済策として、
最も効果が大きのは、刑事手続です。
加害者が逮捕され、刑事裁判が
進むので、被害者にとっては安全です。
また、警察や検察が有罪にするだけの
証拠を国家権力を使って集めてくれます。
損害賠償命令制度、被害者参加等の
手続きで、お金や情報を得ることができます。
しかし、
警察に被害を報告に行っても、
刑事手続は、必ず実施してもらえるものではありません。
実際、殺人、重症の傷害(故意犯)、重症の自動車事故
以外では、被害届や告訴状を受理してもらうことは、
容易ではありません。
窃盗、詐欺、(業務上)横領等では、
警察に被害届を持って行っても、容易に受け取りません。
業務上横領では、証拠が明確でも、捜査に着手するまでに、
1年以上待ってくれ、という事案も良くあります。
投資詐欺、振り込め詐欺などの証拠収集が困難な事件では、
捜査に着手すること自体まれです。
窃盗被害にも、積極的な犯人捜査は行っていは
いないようです。
警察が積極的に刑事手続を行わない場合、
民事手続きを行う他ありません。
また、加害者が刑事罰を受けても、
経済的被害救済には民事手続きが必要です。
民事手続きは、被害者自身が弁護士に依頼して、
自らの主体的に実施できることが特徴です

民事手続きは、
仮差押(保全処分)、
訴訟手続(判決手続)、
執行手続(強制執行、預金差し押さえ等)
と進みます。
訴訟で救済を得られるかどうかは、
証拠が入手できるか、にかかります。
現実の金銭的救済に至るかどうかは、
加害者の資力が問題です。
多くの犯罪加害者は、資力に乏しいことが、
被害者救済の弱点です。
行政手続は、被害救済という意味では
当てにはなりません。
交通事故関係の多くも含めて、
基本的には、刑事手続の後追いです。
医師免許に関する処分は、
特にその傾向があります。
再発防止には行政的権限行使が求められます。
運転免許がなければ運転せず、
医師免許が停止されれば治療しない
からです。
特定商取引法や金融商品取引法
弁護士法(懲戒処分)などの
ごく一部の分野を除いて、
行政的権限行使が余り行われないことは
残念です。