法律には、原則の適用は書かれていない


契約自由が法律の大原則です。
本来は、契約をすれば、そのとおりにしなくてはなりません。
しかし、例外的に、法律で規制がある場合があります
その典型が、借地借家分野や労働分野です。
(法定更新、解雇の制限など)
消費者保護からの修正もあります。
(クーリングオフなど)
このため、実際には、契約不自由が原則の
ように思ってしまします。
また、はっきりした規制がなくても、
公序良俗違反として無効になることもあります。
賭博行為等です。
法律相談の際、これをやって大丈夫ですか、
という質問が良くあります。
こんな取引方法は大丈夫ですか。
こんな約束大丈夫ですかね。
例外として無効になる規制がなければ、
契約自由の原則により、有効です。
法律には、原則が適用される場合は明白ではありません。

本来は自由ということを、
忘れてしまわないようにしたいと思います。
また、例外規定にあたる場合は、
例外の例外に当たらない限り、
例外の効果があると考えなくてはなりません。
例えば、
借地借家法による借地非訟手続きの
対象となるかは、借地か否かで決まります。
(一般の訴訟に対する借地非訟手続きが例外規定)
例外の例外規定(借地非訟手続きの不適用規定)はないので、
例外的に手続きが利用できないことは、ないと
考えることになります。
旧借地法による借地権が法定更新(旧借地法6条2項)された場合、
借地借家法による譲渡承諾請求(19条、附則4条)が
できるかを考えた際、
できないという規定がない以上できる
という結論を出すまでに混乱してしまいました。
この場合でも、例外の例外がないから、
例外のとおりだと言い切るとき、少々勇気が必要になりました。